正しさの角を、少し眠らせては?— 人間関係が少しだけ軽くなる話

平穏に生きる
人間関係が少しだけ軽くなる話

正しいことを言うときは 少しひかえめにするほうがいい
正しいことを言うときは 相手を傷つけやすいものだと
気づいているほうがいい

この言葉に出会ったのは、18年前。
息子の結婚式で、彼が慕っていた和尚さんが贈ってくれた「祝婚歌」の一節だった。

その言葉を聞いた瞬間、
初めて聞くはずなのに、どこか懐かしいような感覚があった。
ずっと前から胸の奥にあった思いが、ようやく言葉になったような気がした。


それより前の私は、仕事で管理職をしていて、 いわば直球で生きていた時期があった。

正しいと思うことは、そのまま言う。 遠慮せず、まっすぐに伝える。
それが正義・誠実さだと信じていた(笑

正しいことを言っているはずなのに、 なぜか伝わらない。空気が少し硬くなる。 距離ができる。 そんな場面を、何度も経験した。


その頃から、うすうす感じ始めていた。

直球だけでは、届かない。 少しだけ、カーブが必要なのだと。

言い方を変える。 タイミングをずらす。 あえて言わないことを選ぶ。

そうすると、不思議と伝わり方が変わる。 相手の表情も、空気も、やわらかくなる。


結婚式で聞いたあの言葉は、
その感覚を、静かに言い当てていた。

正しいことは、ときに鋭い。
無自覚のまま、相手を傷つけてしまう
のだ。

相手は、分かっていないわけではない。
多くの場合、もう分かっている。
それでもできないことや、うまくいかないことがある。

そんなときに正しさをぶつけられると、
人は少しだけ、心を閉じてしまう。


だからこそ、正しさの角を、ひとつ眠らせる。

正しいことを言うときほど、 その言葉が誰かを傷つけるかもしれないと、 どこかで思っていること。それだけで、言葉のかたちは変わる。



家の中でも、同じことを感じることがある。

正しさをそのまま言葉にするよりも、 少しだけ控えめに、やわらかく。

それだけで、空気は変わる。 そして「ありがとう」と伝えると、 もう一つ、手を動かしてくれることもある。


正しさは、大切だと思う。
でもそれは、振りかざすものではなく、 そっと持っているものなのかもしれない。

角を立てずに、静かに差し出す。
それだけで、人間関係は少しだけ軽くなる。

どうか、あなたの日々が少しでもやわらかくありますように💞🎵