プロテイン(protein)は、「最も重要なもの」という意味のギリシャ語「Proteiosプロテイオス」に由来する英語名で、日本語ではたんぱく質を意味します。
「プロテインは筋肉の素とかたんぱく質の一種である」というイメージが先行していますが、正しくは同じものです!
ここでは、栄養素としてはたんぱく質、サプリとしてのたんぱく質をプロテイン、私たちの体のいたるところに存在するたんぱく質はヒトたんぱく質と呼び区別します。
ヒトたんぱく質は、合成と分解を繰り返しており、体の動的平衡状態を保っています。
(動的平衡とは、合成と分解が同じ速度で進んでいるため,一見変化が起きていないようにみえる状態で、あなたの顔や手や内臓も自覚できないけど、確実に変わっているのです)
たんぱく質は体を作る原料となる栄養素、欠かしてはならない3大栄養素のひとつです。
肌荒れ、免疫力の低下 、代謝の低下 、貧血 、疲れやすい 、髪の毛のダメージ 、爪が弱くなる、などさまざまな体の悩みは、たんぱく質の不足が原因です。
また、たんぱく質は脂肪のように体内に貯めることができないということも覚えておきましょう。つまり、たんぱく質は不足しないように毎日しっかり取ることが大切です。
[お迎え]の天命が下るまでは、ほぼ健康でありたいとは誰もが思うことですよね。
今回は、健康維持に必要不可欠なたんぱく質=プロテインについての備忘録です。
あなたの糧になりますように✨👍。
たんぱく質はアミノ酸の集合体
たんぱく質を形成する最小成分のことをアミノ酸といいます。
アミノ酸は自然界に500種類以上存在していますが、人間の体に必要な物はこのうち、たったの20種類。体内でもつくることができる非必須アミノ酸(11種類)と体外から取りいれることが必要な必須アミノ酸(9種類)とに分けられます。
たんぱく質の役割
消化されたたんぱく質は、アミノ酸の状態で全身の細胞に届けられ下記の3つの働きをします。
- 各組織(筋肉、皮膚、毛髪、爪、臓器、神経などの細胞組織)などをつくる
- 酵素、ホルモン、免疫物質、筋収縮や輸送に関与する物質などの材料となる
- 糖質(炭水化物)や脂質のようにエネルギーになる
たんぱく質は働き者です。でもエネルギー源としての役割は糖質や脂質にお任せして、体造りのために使って欲しいですね。(糖質や脂質を一緒に摂取すれば大丈夫!)
たんぱく質の必要量
成人の場合、1日の必要量は 体重1kgに対し約10gといわれています。たんぱく質は、皆さんが想像している以上に必要です。下記は厚生労働省2020年度版の推奨量です。
摂取したたんぱく質は、消化・吸収されることで、はじめて体内で活⽤されるようになります。この消化・吸収がうまくいかなければ、たとえ⼗分な量のたんぱく質を摂取していたとしても、たんぱく質不⾜に陥ります。
悲しいことに50歳前後になると、たんぱく質の消化酵素の活性が急激に減少するということです。つまり、若い頃と同じ量のたんぱく質を同じように摂取していても、体内でうまく活⽤されない可能性があるのです。たんぱく質が足りない人ほど、消化酵素も足りなくなります。消化しきれないと栄養不足になります。健康を害する可能性が・・・・
通常の食事ではほとんどの方が不足しているといわれています。
たんぱく質の必要量を一つの食品だけで取ろうとすると、
卵なら、約8個分 、
納豆なら 7パック、
サーロインステーキ 3枚 食べきれませんよね(笑)
それに食品にはたんぱく質だけでなくほかの栄養素、脂肪等もついてくることもお忘れなく!
「トーストとコーヒー、卵料理」や「ごはんと味噌汁、納豆」といったシンプルな朝食で取れるたんぱく質は約10~12g。効率よく筋肉を合成するには、1食あたり20gのたんぱく質摂取が理想といわれていますので、一般的な朝食の10~12gでは、約10g足りないことになります
じゃあどうしたら・・・
バランスのいい食事をとりつつ、不足がちなたんぱく質は、質の良いプロテイン(サプリ)で補うのがお薦めです。
消化・吸収
- 食事から摂取したたんぱく質は、胃や腸で[たんぱく質分解酵素]によって、アミノ酸に分解されます。
- 小腸で毛細血管に吸収されて、肝門脈から肝臓に入ります。
- 肝臓で酵素などによってほとんどが、肝臓の細胞のタイたんぱく質や血漿のタイたんぱく質につくり変えられます。それ以外の約20%は、肝静脈から血液によって全身の細胞に届けられます。
- アミノ酸を受け取った各細胞の現場監督[RNA] は人体に必要なアミノ酸の配列を記憶している設計図[DNA] に元づいて酵素などに指示を出し、アミノ酸を再び組み立て、新たにヒトたんぱく質(臓器・筋肉・髪・爪など)を作ります。
プロテインの種類
市販されているプロテインの種類は主にホエイ、カゼイン、ソイの3種類です。
BCAAとは、運動時の筋肉でエネルギー源となる必須アミノ酸である、バリン、ロイシン、イソロイシンの総称です。
動物性のホエイ、カゼインは素早い吸収が特徴的ですが、脂質も含んでいることから、筋肉を大きくしたい、身体を大きくしたいという方に!
植物性のソイは大豆が主、脂質をほとんど含んでいないため、すっきりとした身体で健やかなお肌や髪の毛など美容と健康が目的の方に!
※食事で摂る場合も傾向は一緒です。
タンパク質の評価基準
タンパク質の栄養価を示す指標を「アミノ酸スコア」と呼びます。食品に含まれている必須アミノ酸がどれくらい満たされているかで算出されます。この数値は一番低い必須アミノ酸の数値となっています。100に近い数値であるほど理想的です。
1993年にWHO(世界保健機関)によって定められたPDCAAS(たんぱく質消化性補正アミノ酸スコア)は、そのたんぱく質がどのくらい消化されやすく、体内で利用されやすいかを総合的に判断したものです。1.0が最高値です。
プロテインを摂るタイミング
私たちの体の60兆個の細胞は「つくる」「こわす」の繰り返しで維持されています。
健康維持には、寝る前と朝に摂るのがBESTです。
朝:体内時計のリセット、効率的なからだづくり
朝は、体の中から水分や栄養素などが枯渇してしまっている状態。筋肉を大きくする役割を持つたんぱく質も同様に夜の間に使われ体の中からきれいになくなってしまっているのです。朝プロテインを摂取すると体内時計がリセットされ自立神経をコントロールします。また、筋肉が増えやすくなるなど効率的なからだづくりにも役立ちます。
夜:成長ホルモンの分泌を促進し、体を修復します
睡眠中に多く分泌される成長ホルモンは、たんぱく質を利用して体の修復を行っています。筋肉の痛みや体の疲れが朝起きるとなくなっているのは、成長ホルモンやたんぱく質のおかげなのです。但し就寝直前の飲食は消化器官へ負担をかけやすいため、プロテインとして飲むのは遅くとも就寝の1~2時間前までに!
※筋肉強化を目指す場合は運動直後がよく、筋肉の強化のほか疲労回復も期待できます。
プロテインと一緒に摂るべき栄養素
一緒にとったほうが良い栄養素を知っておきましょう。重要なのはビタミンB群です。
①ビタミンB群
たんぱく質を代謝させてエネルギーを生成し、血液や筋肉を作る助けになる。消化吸収するときに、ビタミンB群(ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、葉酸、パントテン酸、ビオチン)が欠けてしまうとプロテインの働きが十分に行われず体づくりができなくなってしまいます。魚介類ではマグロ、カツオなど、肉類ではレバーなどに含まれています。
②マグネシウム
タンパク質合成、筋肉や神経の機能の向上、血糖や血圧のコントロールなどには、300種類以上の酵素がありますが、全てマグネシウムがそれらの補助的役割を担っています。海藻類、豆・種子類、緑の濃い野菜(モロヘイヤやホウレン草など)などに含まれています。
③糖質
血中に糖分が流れ始めると、インシュリンが分泌され、体内に取り込もうとする働きが起こりますが、その際にたんぱく質も一緒に取り込もうとしてくれるため、より効率的な吸収が見込めるのです。また、体の中の糖分が不足のときは、エネルギーの源となる成分がないため、たんぱく質を分解してエネルギーに変えようとする働きが起こります。せっかく摂取したたんぱく質や一生懸命作った筋肉も、糖質不足になると分解されてしまうので要注意です。
まとめ
体(ヒトたんぱく質=血や肉)を維持、強化しているのは、たんぱく質が消化された後の20種類のアミノ酸の再合成によるもの。その時に、ビタミンB群、ミネラルがあると効率的に再合成が行われます。三大栄養素の炭水化物や脂肪は体や脳を動かすエネルギーの原料なので必要ですが、たんぱく質は体そのものになるので最も大切な栄養素といえます。
50代を超えると栄養の吸収率も利用率も下がってきます。例えば、卵を2個食べた時、20代では2個分のたんぱく質を体内で利用できますが、50代以降では半量の卵1個分のたんぱく質しか体内で利⽤できなくなってしまう可能性があります。健康維持のためには、毎日のバランスの良い食事に加えて、良質なプロテインと特にビタミンB群をサプリでピンポイントに追加摂取すると消化器官や肝臓・腎臓の内臓負担も減るので安心です。